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ひろげるくんが活躍! 規格に無いパイプが必要ならパイプを広げて作ってみてはいかがでしょうか?

規格に無いステンレスパイプを広げて作る

お客様のご要望にひろげるくんが活躍!

 先日のお話ですが、ステンレスパイプの規格に無いサイズの外径65.5ミリを必要とするお客様に弊社のひろげるくんが活躍しました。

お客様から外径60.5ミリ、板厚2ミリのステンレスパイプを広げて外径を65.5ミリにできないかとお問い合わせを頂きました。

ひろげるくんで試作加工を行い無事お買い上げいただいた事例を紹介します。



試作加工の様子


5ミリ拡管時の問題点

 お客様のご希望は内径が61.0~61.5までの間をご希望でしたので2工程での拡管をご提案いたしました。

1工程でも5ミリの拡管は可能です。しかし弊社のパイプを広げる工法だと、エキスパンダーが「広がった際の隙間」が品質に影響を及ぼすため2工程での加工を提案しました。


問題点

 1つはパイプに接していない箇所は凹む(隙間の部分の痕が付く)ため、厳密には真円ではない形状になります。内径の公差によっては複数工程で成形を行わなければなりません。

また、1工程で内径60.5ミリまで広げるとした場合、広げる前の内径56.5ミリが挿入できるようにするためには広がったエキスパンダー同士の隙間を大きくし、縮み代を確保しなければなりません。

 

 2つめは成形によりパイプの全長が変化する点です。こちらは対策のしようがない部分がありますが、径方向に引っ張って成形するためパイプが伸びて全長が縮みます。ステンレスパイプには巻いて溶接した「シーム」があり、溶接されたシームの部分は他のところより硬くなっています。シームの部分は全長があまり変わらず、その他の部分が縮んでしまうといった問題が発生します。

 

1工程で5ミリ広げた時の痕
1工程で5ミリ広げた時の痕
全長の変形具合
全長の変形具合

解決策

 「エキスパンダーの隙間の痕」は1工程で広げた後、エキスパンダーが当たる位置をずらしてもう1度加工を行えばある程度は改善します。その他には6分割のエキスパンダーを8分割にするなどの方法があります。

 全長の変形については対策しようがない部分がありますので割愛とさせていただきます。

お客様はある程度の量産に使用したいとのことで、隙間の痕の件、全長の変形具合を理解して頂いた上で2工程での拡管加工に決定しました。


  余談ですが、板厚2ミリとなると市販の油圧プレスでの拡管加工はできませんでした。Am〇zonで購入した20トン程度の油圧プレスを使用しましたが、10トン以上の圧が掛かるとポンプが「コンッコンッ」と悲鳴を上げだしたのでメカプレスで試作加工を行いました。

 

パイプを広げたい、内径を広げたい道具をお探しの場合は是非ファインテクニカまで一度ご相談ください。

2023.10月追記

ファインテクニカではパイプを拡げる金型だけでなく、直径を縮める加工をプレス金型で行う金型も製作しております。

縮管金型のページを新しく追加しました。

縮管加工の様子
縮管加工の様子

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外部リンク

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