金型部品のリバースエンジニアリング事例
図面の無い部品の製作依頼
約15年前に弊社が製作したパイプエキスパンダー金型が破損してしまったため、修理をして欲しいとお客様から修理の依頼を頂きました。約15年前の金型なので図面がありませんでした。幸いなことに修理箇所はパイプを拡げるエキスパンダーのひとつの先端が折れてしまっただけなので、エキスパンダーを製作すれば修理は完了となります。
エキスパンダーを製作するために、各部の寸法を知らなければ製作することができません。今回の金型部品の修理ではキーエンスのスキャナー型三次元測定器のVL-500が活躍したので、測定機能の一部をご紹介します。
VL-500でスキャン・寸法を測定する
VL-500は形状をデータ化することで寸法の測定、CADデータとの比較ができます。今回はCADデータが無いので測定のみを行います。
弊社のエキスパンダーはお客様の要望の寸法に合わせて製作しており、拡がった状態で狙いの寸法のRになるよう設計しております。例えば拡げたい狙い寸法を直径50ミリとした際は、エキスパンダーの拡管部をR25で設計すると言った具合です。
VL-500の3D計測機能を使用して円筒部をクリックすると、簡単に直径の寸法を測ることができます。同様に面と面の距離を測定します。これでエキスパンダーの寸法を簡単に調べることができました。
測定データに座標を設定
その他の機能としてはスキャンデータに座標を設定することもできます。
データにXYZ軸の3軸を持たせることでCADにデータを取り込んだ際に位置合わせを容易に行うことができます。エキスパンダーは拡がった状態で設計されているので座標をRの中心に設定しました。
VL-500の測定機能と座標設定についてご紹介しました。弊社では3Dスキャン測定サービス等承っております。お気軽にお問い合わせください。
こちらもどうぞ
ファインテクニカが行った他のリバースエンジニアリングの事例をご覧ください。
こちらはバイクの燃料タンクをお客様ご依頼の形状データを製作しました。