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工法転換の事例。切削加工による穴あけからプレス加工へ「内側から穴あけ加工金型」

切削による穴あけからプレス型による穴あけへ

 当社で行った工法転換の事例をご紹介します。お客様よりタイで生産している4輪の排気系部品の量産に苦労しており、工法を変えたいと依頼を頂きました。苦労している工程は曲げ加工されたパイプの側面に穴をあける工程で、今まで切削による穴あけを行っていた工程をプレス型による穴あけに変えることでお客様の量産に貢献することができたという事例になります。

製品・工程の問題の工程について

お客様が困っていた製品と工程の問題について紹介します。

材質SUS436、Φ42.7、t=1.5mmの曲がったパイプにΦ28.0mmの穴をあける工程です。


お客様の悩みは大きく分けて3つの問題でした。

  • 生産台数が非常に多い
  • 品質問題(パイプの内側にバリ・カエリ無き事、バリ取り)
  • 切削による穴あけに使用する工具のコスト(特注製、コスト高い、寿命短い)

フライス盤で特注の工具を使用して切削による穴あけを行っており発生したバリを手で除去していた。加工時間とバリ取りの問題から特注工具を製作して改善を試みたが工具がもたない・加工時間がかかる・バリ取り時間の増大、そのうえ生産台数の増加により量産に支障が出ていました。

当社の提案

 「パイプの内側にバリ・カエリ無き事」の指示があるため、パイプの内側からピアス加工を行うことを検討しました。生産台数が非常に多いこと、タイで生産を行うため作業者のバリ・異物の見逃しによる不具合発生が起きないようにするためです。まずは1機種用に試作金型を製作し、量産に使用して金型の不具合・品質問題を確認した後に別機種用の採用を検討して頂きました。

ピアス型の正式採用に

 日本でのトライ・量産に問題はなくお客様に採用して頂きました。その後、金型はタイ工場へ送られ量産に使用されました。穴あけの径違い、パイプの寸法・形状違いの別機種にも採用され、金型の不具合・品質問題もなく現在に至ります。下の写真は型による穴あけのサンプルです。


金型について

 穴あけ加工の様子、金型の実物については手元に実機がなく古い動画でのご案内になることをご了承ください。

パイプの内側からプレスをするにあたって、パイプの中を通したホルダーにパンチを取り付ける必要がありました。写真の3Dモデルは生産を終えた金型で、3Dプリンターで模型を作成するために部分的に簡素化・省略化したデータになります。作成した模型はお客様との打ち合わせの際に製品サンプルと共にご紹介させて頂きます。


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